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DANCE OF LEAVES

¥1,540 税込

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ZINE「DANCE OF LEAVES」
著者:中村雅奈
28ページ、A5ヨコ、フルカラー・オフセット印刷、アラベール
2025

奄美大島・東京・久高島で見た景色を参考に、水彩と色鉛筆で描いた絵をまとめたZINEです。
※2025年1月7日~1月15日の間にHB GALLERYにて開催された、中村雅奈の個展「はっぱのおどり」の展示作品です。

【はっぱのおどり】
パーソナルワークでは植物を描くのが好きなのだが、植物をよく見て描くと、かれらと交信をしているような気分になる。東京の公園にいるときでも、島の大自然にいるときでも、似たような感覚になる。特に体調が悪い時や寝不足の時に葉っぱたちをじっと見つめていると、自分の意識が葉っぱたちに溶け込んでいくような、一種のトランス状態に陥る時がある。その状態の時、私は1ぴきの生き物として、なにか強大なものの一員に慣れた気がして安心感がある。その瞬間を追い求めて制作や旅をしている。

共感を覚えた文として、山尾三省著「新装 アニミズムという希望 講演録琉球大学の5日間」(野草社)という本に好きな一説がある。
「人がじっと木を観れば、木が人を観る。そういうふうにして世界は成り立っているんです。」

アダンにまつわる話。沖縄地上戦の時、米軍の戦闘機が機関銃を撃ってきて、弾から逃れる為にアダンの茂みに飛び込んで隠れていた。という実際の生存者の体験記がある。アダンの葉っぱは触ってみると、とても硬く、アロエのようにトゲトゲしている。実際に飛び込むと肌が傷つき、かなり痛かっただろうと思う。

奄美大島の大浜海浜公園にいった時の話。2、3メートルを超えるアダンの大群が、何百メートルも続いているエリアがあった。硬い葉っぱが生い茂っており中には入れないので、茂みを覗き込むと、はっぱが無限にぐるぐると折り重なっていた。アダンの葉のうずまきは、なんだか人間の立ち入れない結界のような、ゾッと怖い感じがした。

沖縄・久高島に泊まった時の話。夜に海まで散歩に行ったのだが、電気がないのでほぼ真っ暗で、わさわさと生える葉っぱをかき分けて細い道を歩いた。強い風が吹いていて、葉っぱがざざざざざざと唸っていて、ゆらゆらしているのが、何かを訴えかける妖怪のようで怖かったのを覚えている。

私は「御嶽(うたき)」の話を思い出した。久高島には、決して一般人が足を踏み入れてはならない「フボー嶽」という場所がある。島民から聖域と呼ばれるところで、先祖の魂が宿り、数々の祭り事を行う祈りの地であった。フボー嶽を見たときは何も感じなかったのだが(入り口だけなら見学できる)、アダンの妖怪のようなうずまきを見たときに、ここは人間とは道理が違う世界なんだ、聖域のようなところなのかも、と思った。そしてこのうずまきのような、よくわからないものを描いてみたい、と思ったのだった。

同時に、このうずまきのような大切な場所を、人間に壊させないようにするにはどうすればいいんだろう、と思う。絵で何ができるだろうと悶々と考えながら制作をしていたら、夜の絵が多くなった。私は夜に絵を描いたり考えたりすることが多い。

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